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重戦機エルガイム

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『聖戦士ダンバイン』の後番組として製作。監督は富野由悠季。「若手スタッフの育成」を主眼に置き、北爪宏幸や大森英敏といった20代を中心としたスタッフ編成がなされた。中でも、当時23歳だった新人デザイナーの永野護は、日本サンライズ制作のロボットアニメとしては初のキャラクターとメカニックの両方のデザインを担当するという大抜擢を受けた。

富野は「番組を若い連中の教育に利用している!それは作品作りではない」というファンの批判をあげている[1]。

物語の前半は主人公ダバ・マイロードの成長を軸にコメディタッチで展開されており、優柔不断なダバを二人のヒロインが取り合うというラブコメ的要素の強い演出がなされていた。中盤、ダバが滅亡したカモン王朝の末裔であることが明かされ、カモン王朝を滅ぼした悪の支配者を打倒するという貴種流離譚的な展開となった。ダバらは苦難と激闘の末に敵を倒すが、ダバは新たな統治者となる道を選ばない結末を迎える[2]。

また、敵側のポセイダル軍に対して主人公側は反乱軍という構図や、登場人物が使用する光の剣「セイバー」などに、『スター・ウォーズ』の影響も見られる。永野は後年、漫画情報誌「コミッカーズ」1997年8月号で同作品を好きな作品として挙げており、その影響が大きかったことを語っている。

本作品は同時間枠の前2作『戦闘メカ ザブングル』『聖戦士ダンバイン』同様に「主役メカ交代」のスタイルを踏襲しており、番組タイトルでもあるエルガイムが前半の主役メカ、後半はエルガイムMk-IIが主役メカとなるが、最終回ではエルガイムが最後のボスを倒す見せ場を飾る。

監督主導の体制から、スタッフ主導という意欲的な体制で制作された本作品だったが、富野らしいエゴイスティックな人間ドラマと、シリーズ構成の渡邊由自による王道ストーリー、永野の作り上げた設定がお互いを刺激し合うという図式には至らなかった。当初の予定の全50話から4話延長されている[3]。作品の評価は今ひとつとなった本作品だが、永野が提示したメカの設定は後のリアルロボットに多大な影響を与えており、リアルロボットの新機軸としても永野の出世作としても記念碑的作品であると言える。

本作の放映前に『機動戦士Zガンダム』の企画が始動しており、富野は「『エルガイム』というのは『ガンダム』をやる前の半分は捨て駒だった」と述べている[4]。

世界設定
公式には永野護が担当したのはキャラクターデザイン及びメカニカルデザインのみだが、実質的な物語の世界観の構築も彼の手によるものとされる。これはデザインを行うにあたりその文化的な背景を確立させる必要があったことから、永野自身が物語には表れないものを含め様々な設定を創作したためである。彼は後にアニメ雑誌ニュータイプ1985年6月号誌上の「バイストンウェル物語」特集において、エルガイムのストーリーは、エルガイムの前作である『聖戦士ダンバイン』に登場する妖精の長、ジャコバ・アオンが所有する水晶球内で展開されるおとぎ話であると発言している。

しかしその一方で、(バイストン・ウェルの世界に登場する)妖精が存在することが理解できないとの発言もしている。この妖精フェラリオ達の棲む水の国「ウォ・ランドン」の上層には選ばれたものだけが入ることを許される「オージ」なる領域が存在し、エルガイムの物語に登場するオージもしくはオージェの名もその領域に由来するものと考えられる。この「オージ」のさらに上層にはバイストン・ウェルの宇宙といえるべきものが存在[5]しており、その宇宙の果てにペンタゴナワールドやガンダムシリーズの世界が存在するとも一部のアニメ誌の記事にて明言している。

永野は本作品の世界観を構築する際に年表や過去の歴史など膨大な裏設定を起こしており、角川書店から発行されたムック『重戦機エルガイム-2』やラポートから発行された書籍『重戦機エルガイム大辞典』などに独自のアイデアで再構成したストーリー『ファイブスター物語』を発表した。ファイブスターとは、本作の舞台であるサンズ太陽系が5つの惑星で構成されていることによるものと推測されている(但し、その内の1つは人間が生存できる環境ではなく物語には登場しない)。ストーリーは概ね放映のものを踏襲するが、結末が大きく違っている[6]。

本作品終了後1年の期間をあけて永野は、『ファイブスター物語』(FSS)をリニューアルして発表し、アニメ誌「月刊ニュータイプ」に連載を開始した。この物語はこの永野版エルガイムをベースにしていることで知られており、アニメのストーリーは当作品の第2部に相当する。そのため本作品とFSSとの間には類似性(たとえばダバとFSSのコーラス6世のキャラクターデザインなど)が各所に見られ、両作品がそれぞれの作品の裏設定として資料的価値の高いものとなっている。

あらすじ
二重太陽サンズを中心に五つの惑星を擁するペンタゴナワールドは、絶対権力者オルドナ・ポセイダルの統治下にあった。そんなある日、惑星コアムの片田舎から主人公ダバ・マイロードと親友ミラウー・キャオはダバの父の形見であるヘビーメタル・エルガイムを携え青雲の志を胸に都会へと旅立つ。それは行方不明のダバの腹違いの妹クワサン・オリビーを探すための旅立ちでもあった。

突如現れそしてあっさり行き倒れた男から100万ギーンの手形をアマンダラ・カマンダラに届けるよう託されたダバは、元盗賊のファンネリア・アムや元正規軍人のガウ・ハ・レッシイを仲間に加え、盗賊や正規軍をエルガイムで退けるうちに、今の世の中は腐敗した正規軍による圧政の敷かれた世界だと知る。力による統治に反発するダバ達は、やがて正規軍と反ポセイダル勢力との戦乱に巻き込まれていく。

ダバ一行と関係者
ダバ・マイロード
声:平松広和
主人公。ヤーマン族カモン王朝の血を受け継ぐ。ヤーマン族がポセイダルにより滅ぼされた際、養父となるダバ・ハッサーに救われ、以来、ダバ姓を名乗る。自身がカモン王朝の後継者であることはダバ・ハッサーから知らされていた(自身、幼少の事ではあったが王都陥落の際の記憶も持っていた)が、彼自身は、カモン王朝再興の意志はなく、ダバ・ハッサーの今際においても、自分はダバ・マイロードであり、カモンなど知らないと言い切っていた。
行方不明となった義妹で許婚であるクワサン・オリビーの捜索のためと、立身出世を望むキャオにつきあう形で故郷を後にしポセイダル正規軍への入隊を志向したが、成り行きから反乱軍に身を投じることとなった。
やがて、ポセイダルの治世への疑問から現体制の打倒を志向するようになり、反乱軍のシンボルとしてカモン・マイロードを名乗り、ポセイダル、ギワザを撃破する。
戦後は、新世界の建設に関わることなく、精神失調を来たしたオリビーを介護するため隠棲する。
ミラウー・キャオ
声:大塚芳忠(ナレーションも兼任)
ダバの幼馴染で、世に出るつもりの無かったダバを連れ出し、共に旅をする。お調子者だが優秀なメカニックで、一行のHM及び艦船のメンテナンスを手がける。戦乱終結後はリリスと「ミラリー探し」の旅を始める模様。
小説版では暴走しかけた原子炉を止めるために放射線を大量に浴びてしまい、終盤で放射線障害で死去した。
ファンネリア・アム
声:本多知恵子
元はミヤマ・リーリンらと盗賊家業を働いていたが、ダバの一行を襲った際、ダバに惚れ、行動を共にするようになる。同じくダバに惚れて一行に加わったレッシィとはダバを巡り恋の鞘当を演じ、物語前半に華を添えている。後にヘッドライナーとしてHMにも搭乗、戦闘に参加するようになる。乗機はエルガイムなど。
小説版ではフル・フラット(=ポセイダル)に親子関係を暗示されていたが、フラットの死亡により決定的な証拠の提示はなされなかった。
リリス・ファウ
声:川村万梨阿
この世界ではほとんど絶滅していた「ミラリー」(妖精)の数少ない生き残り。ギャブレーの故郷ではミラリーは災いの元であると信じられていた。戦乱終結後はキャオと同族探しの旅に出る模様。なお、名前の「ファウ」、容姿などは前作「聖戦士ダンバイン」に登場したキャラと同じであるが、服装は前作のレオタード調から永野デザインのカジュアル(ベスト、ショートパンツにブーツ)なものに変わっている。登場当初はほとんど台詞がなかった。
ガウ・ハ・レッシイ(声:川村万梨阿)
ポセイダル軍の名家ガウ家の出身。家柄、実力共に兼ね備えており、若くして十三人衆に列せられていたがダバに惹かれポセイダル軍を離脱。これに伴い自らの意思で自身の髪を断髪し、髪型がキノコ型のロングヘアーからショートボブに変更。ダバを巡りアムとは恋の鞘当を演じるが、馴れ合いのチームではポセイダル軍を打倒することは困難であることに気づき、アマンダラの元に身を投じ、ダバらを側面から支援するようになる。再登場後は髪型がショートボブからボリューム感のあるセミロングに変更されていた。乗機はヌーベル・ディザードなど。なお小説版では「目つきの悪いブス」という旨の表記があるが、アニメ版ではそれほど酷い作画ではなく(小説版においても挿絵ではそのように作画されていない)、むしろその一途な恋心はヒロインのアムを抑え、また、当時人気があった声優の一人である川村がCVを担当したこともあり、本作中、最も人気がある女性キャラとなった。
ダバ・ハッサー
声:池田勝

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2009年01月25日 12:32に投稿されたエントリーのページです。

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